鋳物業界には、専門的な用語が多数存在します。
本記事では、初心者から経験者まで役立つ「は行」の鋳物用語を詳しく解説します。
パーライト
フェライト(軟らかくて延性のある鉄)とセメンタイト(硬くて脆い炭化鉄:Fe₃C)が層状に交互に重なった微細組織のことを言います。
鉄鋼材料が一定の冷却速度で冷えると、オーステナイトが分解してパーライト組織が生成されます。
硬さと強度のバランスに優れ、靭性(割れにくさ)も持ち合わせているため、機械部品などに適しています。
肌あれ(はだあれ)
鋳造した鋳物の表面に現れる不良の一種で、表面が粗くなったり、凹凸やざらつきができたりして、仕上がりの見た目や品質に影響を及ぼす現象を指します。
具体的には、鋳型の砂の状態や金属の流れ方、冷却速度などの条件が不適切な場合に発生しやすく、鋳物の表面が滑らかでなく、荒れたように見えることから「肌あれ」と呼ばれます。
ばり
鋳造後に鋳型の合わせ目や湯口(鋳込み口)、排気口などから余分に出てしまう、不要な金属の突起部分や余盛りのことを指します。
パテ補修(ぱてほしゅう)
凹んだ部分や隙間を埋めて平らにすること。

白鋳鉄(はくちゅうてつ)
白鋳鉄は、鋳鉄の一種で、破面が白く見えるほど硬く、非常に脆い金属材料です。
そのため、切削加工は困難になります。
幅木(はばき)
中子(ちゅうし)に付随してこれを支え、湯によって中子が動かないようにするもののこと。
製品にはならない部分のことを言います。
ひけ巣(ざく巣)
ざく巣とも言い、鋳物内部にできる巣のことを言います。
鋳造欠陥の一つで、金属が凝固する際の収縮に対し、十分な溶湯が供給されなかった場合に発生しやすいです。

ピンホール
鋳造品の表面や内部にできる非常に小さな穴や気泡のことを指します。
ふいご炉(ふいごろ)
主に鋳造工程で使われる加熱炉の一種で、「ふいご」を利用して空気を送り込み、燃焼効率を高める炉のことを指します。
※ふいご(吹子):手や機械で空気を圧縮・送り込む装置。燃焼に必要な酸素を供給して火力を強める役割があります。
ブローホール
溶湯の中に含まれるガスが、凝固した後に鋳物内部へ残る現象のこと。
フラン鋳造(ふらんちゅうぞう)
自硬化型鋳造法のひとつ。少ない樹脂添加量で高い強度を得られることもあります。大物鋳造や精度の高い鋳造品に用いられます。

吹かれ
品の外観や機械的性質に悪影響を与える欠陥の一つです。
吹かれの主な特徴は、以下の通りです。
・鋳物表面に凹凸や小さな穴が現れることがあります。
・製品内部に空洞ができることがあります(内部欠陥はX線検査などで確認されます)。
・見た目の不良だけでなく、強度や耐久性が低下する原因となる場合があります。
方案(ほうあん)
「計画」や「設計図・設計案」のこと。

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