鋳物業界には、専門的な用語が多数存在します。
本記事では、初心者から経験者まで役立つ「た行」の鋳物用語を詳しく解説します。
待機炉(たいきろ)
鋳造時にすぐ使用できるように金属を溶かした状態で待機させておく炉。

太鼓(たいこ)
鋳物製品や加工部品において、中央部が膨らんでいる形状を指す俗称。
本来は平らであるべき面が中央に向かって膨らんでしまっている状態を「太鼓になっている」と表現します。
ダクタイル鋳鉄(たぐたいるちゅうてつ)
炭素を多く含有している鋳鉄のこと。
黒鉛が球状になっており、ねずみ鋳鉄よりも数段強度が上がります。
脱ガス(だつがす)
溶湯中のガス(主に水素など)を除去する工程のこと。
気泡欠陥防止のために重要な工程です。
脱型(だっけい)
鋳物から鋳型や中子を除去する工程のこと。
叩き出し(たたきだし)
鋳物から砂や中子を機械的に除去する作業のこと。
脱型後に行います。
脱酸剤(だっさんざい)
溶湯中の酸素を除去する添加剤のこと。
鋼や鋳鉄の品質向上に使用されます。

ダイカスト
高圧力で溶融金属を金型に高速で注入し、急速に冷却・凝固させて製品を成形する鋳造方法のこと。

だぼ穴(だぼあな)
鋳物の組立や機械加工、部品同士の位置決め・接合のために設けられる位置合わせ用の穴のことをいいます。

チル化(ちるか)
鋳鉄を鋳造する際に表面近くが急冷され、黒鉛が形成されずに硬くなった状態になることを指します。
急冷されることでセメンタイト(Fe₃C)などの硬い金属組織が形成され、硬くてもろい組織となるのが特徴です。
チッパ
鋳物のバリや湯口、突起、不要な部分などを機械的に削り取る作業を行う作業者または工具のこと。
中子(ちゅうし)
『なかご』ともいいます。
鋳物内部の中空部分を形成するための砂型で中子用砂で作成されます。

チャージ
溶解炉に入れる原材料のこと。
鉄スクラップやフェロアロイなどが含まれます。

蓄熱性(ちくねつせい)
鋳物素材が熱を蓄える性質のこと。
鋳鉄鍋などに求められる特性です。

面引け(つらびけ)
鋳造品の表面にできる欠陥の一つを指します。
鋳物の表面が引っ張られたように、または割れたように部分的に剥がれたり、欠けたりする現象のことです。
これは主に冷却や収縮の不均一によって発生し、鋳物の表面が滑らかでなくなり、製品の仕上がりや強度に悪影響を与えます。
通気性(つうきせい)
鋳型砂や中子のガス透過能力のこと。
ガス欠陥の有無に影響する重要特性です。
電炉(でんろ)
電気を使って金属を加熱し、溶解する炉のこと。
鉄鋼業や鋳造業、などで広く使用されています。

手込め(てごめ)
鋳造工程において、型に砂を詰める作業の一種。
手作業で行います。

ティグ溶接(てぃぐようせつ)
高品質な補修や接合に用いられる溶接法。
アルゴン溶接、アルゴンアーク溶接とも呼ばれます。

飛ばされ(とばされ)
鋳込み時の金属溶湯の勢いなどによって、鋳型や中子の一部が吹き飛ばされる現象、またはその結果生じる欠陥を指します。
とりべ
炉からの出湯を受け止め、注湯する鉄の器のこと。

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