ベトナム工場でのロストワックス鋳造による高精度ステンレス部品の低コスト調達について解説。
ロストワックス鋳造とは?
ロストワックス鋳造とは
ロストワックス鋳造は、原型として使用するワックスモデルをベースにセラミックや石膏で鋳型を作成し、そこへ溶融金属を流し込む精密鋳造技術です。

複雑な形状の再現性や高精度な寸法管理が可能で、以下のような産業に活用されています:
特にステンレス製品においては、切削加工では実現しづらい形状や内腔構造も、ロストワックス鋳造なら高い再現性で製造可能です。
ロストワックス鋳造のメリット
ロストワックス鋳造法は、一体型で複雑な形状の製品を製造する際に非常に有効です。
例えば、航空機のタービンブレードや医療用の人工関節など、精度が要求される製品には欠かせない技術です。
その最大の特長は、他の鋳造法に比べて非常に高い精度が得られること。
初回から複雑な形状や繊細なディテールを再現することができます。また、余計な後加工が少ないため、製造コストを削減することも可能です。
さらに、ロストワックス鋳造法は多様な材料に対応可能で、鉄、非鉄金属、合金など、幅広い材料で製品を作ることができます。
ロストワックス鋳造の工程
- STEP 1蝋(ワックス)で原型を作成
最初に、製品の形をした蝋製の原型を作ります。
この原型が、完成する金属製品の形状や寸法を決める重要なポイントです。 - STEP 2原型の周囲に鋳型(シェル)を形成
蝋の原型の表面に、石膏やセラミックスなどを何層にも塗り重ねて、硬い鋳型(シェル)を作ります。
十分な厚みと強度を持たせるため、塗布・乾燥の工程を繰り返します。 - STEP 3加熱して蝋を除去(ロストワックス工程)
鋳型を加熱し、内部にある蝋を溶かして流し出します。
この「蝋を喪失する」工程が、ロストワックス鋳造の名前の由来です。
この時点で内部は空洞の鋳型になります。 - STEP 4溶けた金属を鋳型に流し込む
鋳型を高温に保ったまま、溶融した金属を内部に流し込みます。
金属は鋳型の細かなディテールにまで行き渡り、形を整えながら冷却・固化します。 - STEP 5鋳型を破壊し、製品を取り出す
金属が完全に固まったら、外側の鋳型(シェル)を壊して取り除きます。
これにより、精密な金属製品が完成します。
最終的に、必要に応じて仕上げ加工が施されます。
ベトナムK社との提携による高品質・低コストの実現
ベトナム・ホーチミン近郊に拠点を持つK社とは?
神栄が提携するベトナム・K社は、2015年に設立された若い企業ながら、ISO 9001:2015認証を取得し、着実に成長を遂げています。
従業員数は約75名。主にステンレス(SCS13・SCS14)製品を中心に鋳造しています:

所在地 :ベトナム ホーチミン近郊
対応素材:SCS13、14・SCSすべて
生産製品:バルブ、オートバイ、車載関係、ドア、家具、メカニカルパーツ(ポンプ)等
取得規格:ISO9001 2015VERSION
従業員数:75名
一貫したサプライチェーン構築
神栄では、鋳造から加工・検査・出荷までの一連の工程を以下のように管理しています:
- STEP 1ロストワックス鋳造(K社)
複雑形状や精度要求の高いステンレス製品を鋳造。
- STEP 2機械加工(ハノイ地区のB社)
ネジ穴加工、平面加工などを現地で実施。
- STEP 3品質検査(神栄スタッフによる最終確認)
日本の品質基準に基づき、出荷前に全品検査。
- STEP 4日本への定期輸送
神栄のネットワークを活用した小ロット・短納期対応が可能。
ロストワックス鋳造におけるベトナム調達のメリット
高いコストパフォーマンス
東南アジア地域の中でもベトナムは人件費・運営コストが低く、特にステンレス鋳造においては日本国内比で大幅なコストダウンが期待できます。

小ロット対応・柔軟な試作体制
K社では試作や小ロット製造にも対応しております。

安定した品質管理
ISO取得済の工場と、神栄によるダブル品質保証体制により、日本の産業機械メーカー様にも安心してご利用いただけます。

ステンレス鋳造部品の海外調達なら神栄へご相談ください
神栄株式会社では、ベトナムK社と連携し、高品質・低コスト・短納期を実現するロストワックス鋳造の海外調達サービスを提供しています。
国内調達コストの見直しや、試作から量産までの一貫調達をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

神栄株式会社は、ベトナム・タイのローカル協力工場から鋳物及び金属製品を輸入販売しております。
ベトナムから8年以上、タイからは約40年以上の輸入実績があり、豊富な経験を持つスタッフを多数有しています。
リスクヘッジとコストダウンとして、ベトナム・タイからの調達をご検討頂きますようお願いいたします。

今後も現地スタッフと連携し、引き続き貿易、生産、コスト低減、リスクヘッジなど、鋳物CHINA+ONEでお客様により良いサービスを提供できるように、努力をしていきたいと思いますので、是非、タイ、ベトナムにお越しの際は、現場の視察に足を運んで頂ければ幸いです!
