鋳鋼鋳物は、鉄を主成分とする合金を溶融し、型に流し込んで成形する製品です。
鋳鋼は、炭素含有量が2.1%以下の鋼を指し、鋳造後に熱処理を施すことで、強度や靭性を高めることができます。鋳鋼鋳物は、機械部品や構造物、車両部品など、複雑な形状や高い強度が求められる用途に適しています。
鋳鋼の種類
鋳鋼は、含有する合金元素の種類や量により、以下のように分類されます。

普通鋳鋼(炭素鋼鋳鋼)
炭素以外の合金元素をほとんど含まない鋳鋼で、炭素含有量により以下の3つに分類されます。
- 低炭素鋼:炭素含有量が0.2%以下で、延性や靭性に優れています。
- 中炭素鋼:炭素含有量が0.2~0.5%で、強度と靭性のバランスが良好です。
- 高炭素鋼:炭素含有量が0.5%以上で、高い硬度と耐摩耗性を持ちます。
炭素含有量が増加すると、硬度や引張強度が向上する一方で、延性や靭性が低下する傾向があります。
合金鋼(合金鋼鋳鋼)
特定の性能を付与するために、ニッケル、クロム、モリブデンなどの合金元素を添加した鋳鋼です。
合金元素の含有量により、以下の2つに分類されます。
- 低合金鋼:合金元素の含有量が比較的少なく、機械的性質の向上を目的としています。
- 高合金鋼:合金元素の含有量が多く、耐食性や耐熱性など、特定の特性を強化しています。
鋳鋼鋳物の熱処理
鋳鋼鋳物は、鋳造後に以下のような熱処理を施すことで、機械的性質を調整します。
- 焼きなまし(アニーリング):金属材料を加熱後、徐冷することで、内部応力を緩和し、機械的性質を安定させます。
- 焼きならし(ノーマライジング):金属材料を加熱後、空冷することで、組織を均一化し、機械的性質を向上させます。
- 焼き入れ(クエンチング):金属材料を加熱後、急冷することで、硬度や強度を向上させます。
- 焼き戻し(テンパリング):焼き入れ後の金属材料を再加熱し、徐冷することで、硬度を適度に調整し、靭性を改善します。

鋳鋼鋳物の加工性と特性
鋳鋼は、以下のような特性を持ち、加工性に優れています。
- 高い靭性と衝撃耐性:衝撃や振動に強く、機械部品や構造物に適しています。
- 優れた機械加工性:切削や穴あけなどの加工が容易で、複雑な形状の部品製造に適しています。
- 合金元素の添加による特性調整:ニッケル、クロム、モリブデンなどの合金元素を添加することで、耐食性や耐摩耗性を向上させることができます。

鋳鋼鋳物の主な用途
鋳鋼鋳物は、その特性から、以下のような用途に広く使用されています。
- 機械部品:ギア、シャフト、クランクなど、強度や靭性が求められる部品。
- 構造物:橋梁、建築物の骨組みなど、大きな荷重を支える構造部材。
- 車両部品:自動車や鉄道車両のフレーム、ブレーキ部品など。
- 耐摩耗部品:鉱山機械や建設機械のバケット、ライナーなど。

まとめ
鋳鋼鋳物は、炭素含有量が2.1%以下の鋼を使用し、鋳造後に熱処理を施すことで、強度や靭性を高めた製品です。
普通鋳鋼や合金鋼など、用途に応じた種類があり、機械部品や構造物、車両部品など、さまざまな分野で活用されています。
鋳鋼鋳物の特性を理解し、適切な材料選定と加工を行うことで、製品の性能向上やコスト削減につながります。
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