鋳物部品で最も悩ましい欠陥の一つが「鋳巣(いす)」や「キライ」です。
これらの欠陥は、製品強度の低下や加工歩留まりの悪化、さらには納期遅延にもつながります。
本記事では、鋳造トラブルを未然に防ぐためのチェックポイントを「材質」「設計」「工程」別に整理し、さらに、弊社がどのように、これら欠陥不良の低減化を実現しているかをご紹介します。
鋳巣・キライとは
鋳造時に発生する代表的な欠陥には、下記のような種類があります。
| 欠陥名 | 原因 | 外観の特徴 | 影響 |
| ガス巣 | ガスの巻き込み、 脱ガス不足、型通気性不足、 | 気泡状の空洞 | 気密性・機械的強度の低下 |
| 収縮巣 | 凝固収縮や押湯不足による空隙 | 内部に不均一な空洞 | 応力集中、破損リスク |
| キライ(割れ) | 熱応力、冷却速度差、拘束条件、材質組成 | 亀裂状の欠陥 | 応力破壊、製品寿命の短縮 |
チェックリスト①:材質選定編
鋳巣やキライは、「材質特性」と「溶解・凝固挙動」に大きく左右されます。
材質を決める段階から、以下の点を確認しましょう。

| チェック項目 | 内容 | 神栄の対応 |
| 材質の熱膨張係数 | 過大だと応力集中で割れが発生しやすい | 材質別に最適肉厚を提案 |
| 炭素・ケイ素・硫黄・リン比率 | ガス発生・鋳巣・割れの発生要因になる | 成分をミルシートで常時管理し、適正範囲を維持 |
| 熱処理の有無 | 応力除去によってキライ防止に有効 | 協力工場では焼鈍炉で 一貫対応 |
★神栄の鋳物の特長
神栄では、FC・FCD・ロストワックスなど多品種に対応し、これまでの実績から、材質ごとの凝固特性を習熟しており、鋳巣が出やすい箇所を設計段階で予測・回避します。
チェックリスト②:設計段階編
設計時点での「肉厚」「リブ配置」「ベント設計」のバランスが、欠陥を防ぐ鍵です。
設計段階では、以下の点に注意しましょう。

| 設計項目 | 不具合リスク | 改善策 |
| 肉厚が不均一 | 冷却差で収縮巣が発生 | 肉厚バランスを保ち押し湯位置を最適化 |
| リブが集中 | 応力集中による割れ | 応力分散形状・リブ配置見直し |
| 抜け勾配不足 | 離型時の型破損やガス抜け不良 | 適正な抜け勾配とベント経路を設計 |
チェックリスト③:工程管理編
工程での「温度」「鋳込み速度」「砂型状態」なども、鋳巣やキライを防ぐ重要要素です。
工程管理では、以下の点に注意しましょう。

| 工程 | 注意点 | 神栄の対策 |
| 造型 | 砂の湿度・密度のムラ | 自動造型ラインで品質均一化 |
| 溶解 | 成分偏り、ガス巻き込み | 溶解炉で温度・成分を常時モニタリング |
| 鋳込み | 鋳込み速度の不安定 | 熟練の技術で鋳込みの不安定さを解消 |
★神栄の鋳物の特長
神栄の協力工場では、製造から品質検査までを日本の品質基準で一貫管理しています。
神栄の鋳物が選ばれる理由
シェルモールド鋳造は、初期費用こそ砂型より高めですが、鋳造精度が高く削り代が少ないため、加工コストの削減・不良率低減が可能です。その結果、総合的にはコストバランスの取れた工法といえます。
鋳造から機械加工まで一貫対応!
少量試作から量産まで、同一拠点で実施することで、短納期対応も可能です。
品質は日本基準!
協力工場では、ISO9001を取得し、品質管理を徹底しています。
蓄積した不良分析データによる提案力!
過去の鋳巣・キライ事例をデータベース化し、同様の欠陥を事前に防止できる設計提案が可能です。
まとめ:鋳巣・キライを防ぐ3つの基本
① 材質特性を理解し、適正条件を設定する
② 設計段階で応力・凝固挙動をシミュレーションする
③ 工程を一括管理し、データに基づいた改善を行う
神栄の鋳鉄では、「設計 × 材質 × 工程」の三位一体管理により、高品質・安定供給の鋳鉄製品をお届けします。
神栄株式会社は、ベトナム・タイのローカル協力工場から鋳物及び金属製品を輸入販売しております。
ベトナムから8年以上、タイからは約40年以上の輸入実績があり、豊富な経験を持つスタッフを多数有しています。
リスクヘッジとコストダウンとして、ベトナム・タイからの調達をご検討頂きますようお願いいたします。

今後も現地スタッフと連携し、引き続き貿易、生産、コスト低減、リスクヘッジなど、鋳物CHINA+ONEでお客様により良いサービスを提供できるように、努力をしていきたいと思いますので、是非、タイ、ベトナムにお越しの際は、現場の視察に足を運んで頂ければ幸いです!







