設計担当・購買担当向け|失敗しない鋳造法選び ― シェルモールドが生む「精度×スピード×コスト」の最適化

鋳物とは?-~特徴・メリット・身近な製品例をわかりやすく解説~ 神栄の鋳物

鋳造法の選択が、製品競争力を左右する

設計段階での鋳造法の選択は、コスト・納期・品質・加工工数のすべてを左右する重大要素です。

神栄キャストでは、これまでの多品種少量~中量以上の生産経験をもとに、『シェルモールド鋳造』を活用した精度・スピード・コストの最適化をご提案しています。

シェルモールド鋳造とは?

シェルモールド鋳造は、熱硬化性樹脂でコーティングした砂を金型上で加熱・硬化させて型を形成する工法です。
この「殻状(シェル)」の型が、高い寸法精度と滑らかな表面(鋳肌)を生み出します。
精度・量産性・コストのバランスに優れています。特に複雑形状部品に適しています。
砂型よりも精度の出るシェルモールド鋳造にこそ、設計・購買の課題を解くヒントがあると考えています。

しかし単に“砂型より精度が高い”というだけではありません。

神栄キャストではこの特性を活かし、『加工を最小化する鋳造設計』を実現し、「鋳造精度でどこまで完成形に近づけるか」に挑戦しています。

設計者が注目すべきポイント①:精度が設計の自由度を広げる

シェルモールド鋳造の一般的な精度は、±0.5〜1.0mm/100㎜程度。
砂型に比べて精度が得られ、削り代を最小化し、設計段階での「肉厚設定」「ボス部形状」「嵌合精度」の最小化が可能となります。

鋳造方法寸法精度(一般公差)特徴・備考
砂型鋳造(グリーンサンド)±1.5〜3.0 mm / 100 mm最も一般的。低コストだが精度・表面性は低い。
シェルモールド鋳造±0.5〜1.0 mm / 100 mm砂型より高精度。薄肉・複雑形状・量産に強い。
ロストワックス鋳造(精密鋳造)±0.1〜0.5 mm / 100 mm最高精度。複雑形状向き。コスト高。
ダイカスト(高圧鋳造)±0.05〜0.3 mm / 100 mm極めて高精度・高表面品質。アルミ・亜鉛などの非鉄金属向き。
ロストフォーム鋳造±0.5〜1.5 mm / 100 mm鋳肌が粗い。寸法安定性は中程度。

設計者にとってこれは、「加工を前提に設計する」から「鋳造で完成形に近い設計」へマインドシフトできるというメリットがあります。

神栄キャストでは、収縮や鋳巣のリスクを解析段階で抑制し、設計段階から最適な肉厚・鋳造条件を提案することで、加工を最小限に抑えた鋳造設計を実現しています。

購買担当が注目すべきポイント②:納期の“安定性”がプロジェクト全体を支える

シェルモールド鋳造では、初期リードタイムが短く、砂型鋳造ほどの精度ばらつきもありません。そのため、設計変更の多い開発案件でもスピーディに対応可能です。

神栄キャストでは、以下の強みを生かして短納期体制を確立しています。

  • 小ロットからの試作対応が可能
  • 金型製作:約6週間(型図提出〜試作品完成)
  • 製品納期:約45~60日(ご注文から日本到着まで)
  • 鋳造〜加工〜塗装~検査まで一貫管理

納期の“安定性”

さらに、鋳型製作~加工~検査まで一貫管理しているため、外注待ちのロスがありません。

これにより「納期の確実性」と「設計変更への柔軟性」を両立しています。

購買担当が注目すべきポイント③:加工・不良・再検査コストを削減

シェルモールド鋳造は、初期費用こそ砂型より高めですが、鋳造精度が高く削り代が少ないため、加工コストの削減・不良率低減が可能です。その結果、総合的にはコストバランスの取れた工法といえます。

特に、寸法再現性が高く再検査・再製作リスクを抑えられる点で、長期的な調達リスク低減にも貢献します。

購買担当にとって重要なのは「単価」ではなく「リスクコスト」。

シェルモールド鋳造は、その “安定供給性と再現性”で、長期調達リスクを抑えます。

加工・不良・再検査コストを削減

神栄キャストの強み:設計から始まる“提案型ものづくり”

神栄キャストでは、単なる図面対応に留まらず、設計段階から鋳造条件を検討し、最適な方案・材質を提案する“提案型ものづくり”を実践しています。

神栄キャストでは、

  • FC・FCD・合金鋳鉄など多品種の材質から製品にあった材質を提案
  • 協力工場でのモールド製作および最適な鋳造方法で製品を生産
  • 弊社の現地スタッフが協力工場に常駐、生産現場で品質管理を徹底

これにより、『設計 → 試作 → 量産』までのスムーズな流れを実現し、短納期・安定品質でお客様の開発を支援しています。

<設計者・購買担当の声>

「初期段階から鋳造条件を提案してくれるので、後戻りがない」

「図面精度と現物がぴったり一致する」

まとめ:シェルモールドは“設計の自由度”と“購買の安心”を両立する

鋳造法の選択は、製造コストだけでなく設計自由度・品質・リードタイムにも大きく影響します。シェルモールド鋳造はその中で、以下のようなバランスに優れた工法です。

シェルモールド鋳造は、

  • 高精度による加工削減設計
  • 少量から中量以上の生産に最適な柔軟性
  • 安定した品質と納期

をバランスよく兼ね備えた“総合力のある工法”です。

「設計段階から最適な鋳造法を検討したい」、「現行部品を改善したい」とお考えの設計担当・購買担当様、神栄の提案型シェルモールド技術を是非、ご用命ください!



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神栄株式会社は、ベトナム・タイのローカル協力工場から鋳物及び金属製品を輸入販売しております。
ベトナムから8年以上、タイからは約40年以上の輸入実績があり、豊富な経験を持つスタッフを多数有しています。
リスクヘッジとコストダウンとして、ベトナム・タイからの調達をご検討頂きますようお願いいたします。

今後も現地スタッフと連携し、引き続き貿易、生産、コスト低減、リスクヘッジなど、鋳物CHINA+ONEでお客様により良いサービスを提供できるように、努力をしていきたいと思いますので、是非、タイ、ベトナムにお越しの際は、現場の視察に足を運んで頂ければ幸いです!

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